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〜 その3:入院日 から 手術日 〜

“入院日”
<2009年2月17日(火)>
手術前日に入院して何をするのかと思っていましたが、荷物を片づけたりの自分の仕事もあるし、ベッドが決まって1番には、ふくらはぎの太さを計測してもらって、
血栓予防靴下を病院を出たところの薬局へ買いに。
これはご家族の付き添いのある人は、ご家族が買いに行っておられました。術前だからこのくらいは何でもありません。買って帰ったら、とてもきついので看護師さんが穿かせてくれました。

それぞれの担当の方から手術前説明があって結構忙しい。

麻酔科医の診察と手術前の麻酔の説明や姿勢の練習。
手術室看護師による術前のスケジュールと手術までの流れの説明。
病室看護師による術後のために脱臼予防の枕を挟んで横を向く姿勢の練習。血液検査。
リハビリの先生による説明。
手術前は清潔にと洗髪と入浴。先週金曜日に手術のすんだ先輩さんと一緒に入って18日手術の私とTさんがシャワー浴のやり方を習います。
シャワーチェアーに座って自然に両膝をそろえたところで、ダメだしが出ました。肩幅に開くこと。この先ずっと、大和なでしこの気分は忘れること。パンツやズボンを穿くときにもマジックハンドを使って膝あたりまで通してから引っ張り揚げます。いずれも脱臼予防のため。手術に向けて緊張が増します。

きっと不安な顔をしていたのでしょう。今日手術をしたばかりというお向かいのベッドの人が、大丈夫、すぐに終わって元気になるよと声を掛けてくださいました。夕食のときには、昨日手術だった人が揃って食堂まで歩行器や杖でやってきて、みんなと一緒に食事。ほんとにすごい。聞いてはいたけどびっくり。

明日の手術の予定が知らされ、私は3番目。午後1:00から。よって、今夜固形物は9:00まで。水分は翌朝11時まで。
9:00消灯で、病棟はシーンと静かになりましたが、いつもなら宵の口。ぐっすり眠れるはずもなく、一晩中うとうととうたた寝状態でした。

“手術日”
<2月18日(水)>
隣の病室へ、今日1番に手術予定のTさんのところへ行ったら、起きてストレッチ中。しばらくできないことを今の内にやっておくんだって。
うーん。若い。元気。やる気満々。すばらしい。夜よく眠れたか聞いたら、テレビを観た後は、耳栓とマスクをしてぐっすりだそう。
動と静をきっちり使い分けて、準備万端。すごいなぁ。 比べて私はぐずぐず昼だか夜だか分からないくらい横になって、夜はあまり眠れませんでした。
昨日吹雪で飛行機が飛ばなくて来れなかったTさんの息子さんが朝一番に来てくれて、昨日から一緒の娘さんにも見送られて、1番目の手術、元気に9:15頃、手術室へ。

9:30、3番目手術の私の浣腸の時間。浣腸後、100まで数えるなんて無理だと思っているうちに、最近の下痢時の貧血の症状が出てしまい、気を失いそうになりながらナースコール。車椅子でベッドまで運ばれ、吐きそうなのをこらえて横になりました。 そのときの血圧は80。どうなることかと思いましたが、しばらくしたら血の気も戻り、血圧は102まで戻りました。血圧というのは自然に戻るのを待つしかないみたいです。100超えれば大丈夫ということなのでしょう。手術準備が始まります。

11:00、点滴。12:00に点滴に抗生物質が加わり、そのとき、看護師さん、びっくりしたわぁ〜だって。 本人に言えるほど回復したということでしょう。お世話掛けました。無事手術できそうでほっとしました。

12:50、素裸に術服をさっとはおってストレッチャーで手術室へ。入り口で自分のフルネームを言います。前日に、はずせない名札を手首にはめ、石部先生自らの手で、マジックで切開部に私のフルネームを書かれて、何重にもミスのないように確認されるのだと改めて安心感が増します。
中へ入って手術台に移され、昨日予習した麻酔が切れた後の痛みを和らげるための麻酔を背骨に打つ姿勢をとります。両足を両手で抱えておへそを見る姿勢。余程痛いかと覚悟していましたが、チクッとしただけ。 その後、酸素を吸いながら5まで数えたところで意識がなくなりました。

次に名前を呼ばれたときには手術は終了していて、目の前の時計を見ると2:40。1時間50分経っていたからでしょうか。意識は完全に醒めていて呼ばれてすぐにハイと返事したら、すっかり醒めてますねと言われました。呼ばれるまで分からなくてよかった。

自分のベッドに戻ったところですぐに石部先生の回診。いつものやさしい笑顔で手術直後のレントゲン写真を示しながら、人工股関節を入れたところが骨にひびが入ったから、ワイヤーで補強してあると説明を受けました。 大腿骨側の途中に、本当にワイヤーが巻いてあって、端がねじって止まっているらしいのが見えます。術前説明で骨折もありうると聞いていたのが、私に起こっちゃったのかぁ。起こってしまったら後はちゃんとやりますと先生が言ってくださったのを覚えていますから全く心配はしませんでした。 リハビリではしばらく右足に半分しか体重を掛けないようにと言われ、えっ、すぐに半分も体重を掛けてリハビリ!?ニコニコの先生が冗談をおっしゃるわけもなく、怖がりの私もがんばるぞの気持ちになりました。

血栓予防には、手術直後から足の裏をマッサージするフットポンプなる機械をつけます。1日に3時間4日続きます。結構力強く両足の裏を押してくれて気持ちいい。
足の腫れ予防には手術前に左足に膝までの弾性ストッキングを穿き、手術後は術足の右足にも太ももまですっぽりカバーする長いストッキングを穿きます。
これは入院中穿いたままで、退院後も違う商品でもいいけれどふくらはぎを締めるストッキングを穿くことになります。
このストッキングはきつくて寝にくいと苦手な人もいますが、私は昼も夜も締め付けられる感触が気持ちよかった。足があまり腫れなかったから太もも部分はすぐにずり落ちてきて、あまりきつく感じなかったのかもしれませんが。
貯血分と手術中に回収した血液を輸血され、しょっちゅう血圧と脈拍を測りに看護師さんが来てくれ、見守られているのが安心でした。

昨夜あまりよく眠れなかったから眠剤をもらい、途切れ途切れだけれど眠れたのでしょう。ただまぁ、身の置き所がないというか、痛いというよりだる重いしんどさ。じっと上ばかり向いていると横を向きたくなって、看護師さんに助けられて、大きな枕を両足の間に挟んで左向きになってみるけど、その姿勢もそう長くはやっていられません。 朝はまだかと時間ばかり気になって、10分おきに時計を見ていた気がします。朝がきたら何がどうなるというものでもないけど、灯りがついて、看護師さんたちが動いて、自分にも声がかかれば、気分転換になります。

みなさんがおっしゃる手術当夜のしんどさってこれだったんですね。 だけどこれも過ぎてしまえば、たった一夜、何年も続いた股関節痛がなくなることを思えば、我慢できます・・・よ。





次は 〜その4:手術後の入院生活と退院〜