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その1.決心から診察まで

 今年の5月14日に、両脚同時の人工股関節置換術を受けました。
 両脚同時の手術は、一度の入院で済むことなど、いくつもの利点もありますが、
 大きなリスクを伴うものでもあります。
 その経験を、ここに書かせていただくことで、これから手術を受けられる方々の
 お役 に立てれば幸いです。

1.決心から診察まで
股関節に痛みが出たのは7年前です。
それまでの私は、ママさんバレーもやったりと、結構活動的なほうでしたが、
ある日突然、歩けないくらいの大腿部痛に襲われました。

最初は肉離れか何かと思い、湿布で様子を見たのですが、あまりに続くので、
地元の整形外科を受診。

変形性股関節症の末期であると診断されました。

人工股関節置換の適応であること… 但し、年齢的にまだ若いので手術は
あと10年待つようにと言われました。

当時、46歳です。

それからは、股関節の状態を少しでも長く温存できるようにと、大事に大事に・・・
の生活でした。

しかし、痛みは年々増していき、股関節もまっすぐ伸びなくなり、お尻は後ろに突き出て、脚も開かなくなってきました。 痛みで、歩くことが苦痛・・・
階段は、高い山に登るくらいの覚悟が必要でした。
痛み止めで、だましだましの毎日でしたが、その薬さえ効かなくなってきていました。

テレビで、石部先生の情報を知ったのはそんな頃でした。

最初は、北海道の先生ということもあって、宮崎に住む私にとっては、現実離れした話のように感じたのが正直なところです。

しかし、ネットで先生のHPに辿り着き、手術された方の体験談や先生への感謝のお言葉を読むうちに、とても前向きな気持ちになって行く自分を感じたのです。

早速、先生にメールを差し上げたところ、翌朝にはご丁寧なお返事をいただき、強く感動したことは今でも忘れません。

この先生なら、私を助けてくださるかもしれない・・・
この先生なら、信頼して、全てをお任せできるかもしれない・・・
と、そう思えました。

最初は遠すぎると思った宮崎と北海道間の距離も、これまで我慢した数年間を
思えば、なんでもないと感じるようになりました。

すぐに診察の予約を取ろうとしましたが、当時は月初めに1か月分の予約を取る
方式だったため、電話がなかなか通じず、やっと予約が取れたのは、なんと3ヵ月後でした。
家の電話と、自分の携帯電話、夫の携帯電話の3台で、ガンガンかけて、やっと繋がったのも、今となっては良い思い出です。

診察の予約が取れたのが、昨年の1月。
NTT東日本病院に診察に伺ったのは、半年後の7月2日でした。

診察室に入った私と付き添いの娘を、先生は、「遠い所から、よくいらっしゃいました。」と、笑顔で迎えてくださいました。
先生は、想像通りの優しく誠実なお人柄で、手術に対する私の不安は即座に吹っ飛びました。

「両脚、一緒にしますか?」

先生のお言葉に、私は躊躇することなく、「はい!」と即答しました。
全く不安はありませんでした。
それどころか、どちらも同じくらいに痛みがあった私にとっては、願ったり叶ったりのお言葉だったのです。

診察のあと、リハビリ室で筋力測定、筋肉トレーニングの説明を受けました。
教えていただいた筋トレを、手術までに行い、筋力をつけておくようにと、PTの先生に言われたのですが・・・
やる気満々だった私の気力に反し、痛みを伴う筋トレはとても苦痛で、結局、手術までには満足にできなかったのです。

手術は、1年後の7月と言われました。
1年という待ち時間は、とてつもなく長い気もしましたが、
これまで、共に痛みに耐えてくれた股関節に感謝し、お別れの準備をする期間だと思えば、そんなに長くもないな・・・とも思われたものです。

さあ! あとは、手術の日の連絡を待つだけです。

それまでは、いつ歩けなくなるかと、不安な毎日でしたが、札幌から帰ったその日から、手術後の自分の姿に思いを馳せては、本当に前向きになれました。

家族や友人との会話の中でも、「脚がよくなったら・・・」という話題が増え、脚の痛みさえ、あと1年だと思えば我慢できるようになっていました。

手術を決意し、札幌にいくことを決めた自分に、微塵も迷いはありませんでした・・・





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