患者の声

※患者さまの写真につきましては、ご本人の了承を得て掲載しております。

ひよこ様からの声

平成23年、変形性股関節症両側末期のためMISによる人工股関節置換術を石部先生に2度執刀していただきました。現在3ヶ月が順調に経過し、以前とは比べ物にならないくらい有意義で幸せな日々を送っています。


☆ 悪くなるまでの経緯

  • 片方のみ先天性股関節脱臼で生まれる
  • 幼少期にギプス固定と骨盤骨切術を受ける
  • その後は激しい運動を避けて普通の生活をする
  • 35才を過ぎた頃から患側下肢が引っかかり坂道が上り辛くなる
  • 40代になると長歩きがしんどくなり動くことも億劫になる
  • 40代半ばには歩くと骨の擦れる音がして痛みに襲われ始める
  • 階段を両足交互に踏み出せなくなる
  • 地元の病院に行くが患側は末期、そして健側までもが進行性と診断される
  • 自覚できるほど患側下肢が短くなり靴底を加工するが、歩行障害をきたし杖歩行となる

☆ 病院探し

  • 治まらない痛みに不安で地元の病院にかかるが、症状が悪かったため 「県内では手術出来ないだろう。年齢的にも早いので手術は出来るだけ先に延ばすように」 と言われる。
  • 別の病院では 「このままだと1年後には歩けなくなる。もし手術するとしてもMISなど絶対無理で、昔の手術法(20㎝切開)となり半年間の入院が必要」 と言われる
  • NETで自分と同じ症例を一番多く手術している病院を他県で見つけるが、診察までに時間がかかり遠距離であったため今一歩踏み出せず
  • 昔少しだけTVで見た微かな記憶を繋ぎ合わせ、検索して石部Cに辿りつく
  • 予約を入れて初診までの間にメールで石部先生に相談する

幼少期の2度の手術時の恐さと、痛くて泣き叫んでいた治療の記憶だけが残っているなか、もう2度と整形外科にはかかるまいと思っていたのに、突然 ¨歩けなくなる¨ と言われ、初めて事の重大さに気づき、痛みが出てからの数ヶ月間そのうち治るだろうと放置していた股関節を救おうと私は必死になりました。しかしこの頃は手術しか手がないと思うと何もかもが絶望的で、目の前に突然シャッターが下ろされ暗闇の中で一人取り残されたような気分でした。 (=_=) 

こんな不安な中、見つけたこのHPは正に患者の求めているものが解りやすくそこにあり、親切によく出来ているなぁと思ったのです。まず手術法が事細かに説明されていること、過去の手術実績数と処置した数値が全部示されている事には先生の自信と誠実さを感じました。また安心できたのは受診前に先生がどういう方なのかを知ることができ、直接メールで相談できることにも無駄のない開かれた医療だなと思いました。不安でいっぱいの患者にとっては、容姿を含め先生を先に知る事だけでも案外安心するものなのです。そして心強かったのは先輩患者の方の体験談がたくさん読めることでした。(私は夜中に読みふけり心を落ち着けていました)

☆ 初診のとき

人生初の北海道が初診でしたが、質問事項も増え今日股関節の運命を決めようと向かったのでドキドキでとても荷が重かったのを覚えています。
でも ¨案ずるより産むがやすし¨ なんです!
レントゲンを見て先生は、難なくあっさり普通に 「手術できます」
とおっしゃいました。脚長差も地元の診断の半分の2cmでした。半年と思っていた入院がたった2週間、MISだから術創も小さくてすみます。それまでは過去の診断が全てだったので何が起きているのか解らず、聞き間違いかと何度も聞いてしまいました。
 ¨この先生なら恐くない、ここでしよう!¨ と即決!勿論すぐ手術の予約をしました。
「ここに来て本当に良かったぁ~!\(^o^)/」
もうただただ嬉しくて、心躍る思いとあの情景は忘れることができません。
心の曇りが晴れ、シャッターが開いた瞬間でした。
見立てが違うと、こうも状況が変わるのです。いったい以前の診断は何だったのでしょう・・・
この診察から恐怖心は一切消え、道を得たのでそれからは迷うことなく落ち着いて待つことができたのです。

☆ 半年で2度の入院

=1度目=

先天性の脱臼をしていた股関節を先にしましたが、疑問や不安点を1つ1つ解決し先生を信頼して臨んだので恐さは全くなく、手術は本当に寝ている間でした。体の中心の大関節を離断する大手術なのに、通常は1時間くらいで終わるそうです。私の場合は癒着を剥がし、筋肉を切り、骨移植もしたのでもっとかかったと思います。自分の股関節の事はちゃんと知っておきたいので、翌日の回診からはほぼ毎日のように先生に質問しましたが、毎回すぐ回答して下さったのでとても安心できました。

そして解ってはいたけど驚いたのは、翌日昼からの歩行練習でした。術後1日経っていないのに歩行器を使ってもう歩けるなんて、凄いなと思いましたがその後のリハビリでは大変な思いをするのです。というのは幼少期から無意識に股関節をかばっていたため筋肉がとても少なく、それに手伝って腫れの引きも遅かったのでリハビリメニューをこなせず、遅れて進んでいたからです。リハビリの先生は、「病気の症状も筋力も人それぞれ違うので、遅れは気にしなくていい。まだ痛い股関節があるから2本目をしてからです。」と励まして下さるのですが、やはり同時期の人が次々進んで行くのを見ると出来ない自分が嫌でした。でもリハビリをすると確実に調子は良くなるのです。

また入院中心穏やかだったのは、地域や年齢関係なく同じ思いをしてきた人達と共通の話題で接することが出来た事です。これまで誰にも話さなかった事も自然に話すことができ、気持ちを分かちあえた事がとても楽で、2週間後に退院するときには帰りたくない気分でした。入院中は本当に楽しかったのです。

=2度目=

半年後は進行してしまった逆側の方でしたが、日々痛みが増し術前は杖なしで3分も立っていられず本当の末期が訪れていました。それなのに15㎏の大きなスーツケースを転がして、タクシー・船・バス・飛行機の関係者の方にお世話になりながら1人で入院しました。荷物は送るようにと何度も身内に促されながらも、あの時の私はどうしたものか「絶対一緒に連れていく」と言ってそれを決行したのです。

入院翌日の回診では先生から「もう2度目で慣れてらっしゃるから大丈夫ですね」と言われましたが、やはり2度目でも緊張して血圧はUP↑です。 (>_<)
でももうすぐ耐えられない痛みが無くなると思うと、入院しているのにワクワクしていました。

しかし、この2度目は一長一短あったのです。前回とは違い麻酔による吐き気で術後から半日苦しい思いをし、夜中も看護師さんに迷惑をかけました。良かったのは今回の術側に筋肉が温存されていたためそのポンプ作用で腫れも早く引き、前回のリハビリとは格段に違い、メニューもこなせて心身ともに随分楽だったことです。筋力の大切さが2度目でやっと解りました。

2本目を終えて術後初めてBedから立った時、両下肢の長さがきちんと揃っていること、本当に両股関節の痛みが消え去ったこと、座位で両膝が揃っていることに凄く感動しました。この3つが揃ったのはきっと生まれて初めての事でしょう。先生のおかげで普通になれたのです。私の人生はマイナスからのスタートだったので、やっとこの年で "普通=0" にリセットされました。 (^_^)

☆ 手術を終えた今

昨年は数十年かけて悪くなった股関節が最大の危機でしたが、先生に救っていただき未来が見える最高の年になりました。痛みの苦痛無く普通に生活し普通に歩ける事で世界が180度変わり、今は毎日が楽しくて楽しくて気持ちも前向きになり、平凡で穏やかな生活を送れることの有難さを日々実感しています。最近では、誰かがボタンを押し自動で歩かされているかのように自分の意に反して一足一足が早いテンポで力強く前に出るのです。とても不思議です。そんな私の歩く姿を見て母が喜んでいます。

出来なくなってしまった事が自然に出来始めた時、「わぁっ凄い!ありがとうございます!」と思わず声が出ます。そして手を合わせます。失った1つ1つを取り戻す瞬間が信じられないくらい幸せです。去年の今頃はこんな日がやってくるとは本当に思いもしませんでした。

以前は側面の姿勢が悪くて見るのも嫌だった自分の歩く姿でしたが、手術した事でその姿勢も普通になり、今はどう歩いているのか見たくて何度もガラスに映してみたりします。これまではその姿勢を隠すために、いつも決まって大き目のAラインの服を着て加工したペタンコ靴しか履けなかったので、今後は動いて痩せて少しタイトな服を着ておしゃれにも気を遣える事が楽しみです。一つ困ったことを挙げるならば、これまで履いていたパンツ類の丈が短くなったので買い替えをしなくてはいけなくなったことでしょうか・・・W (身長が高くなり嬉しい悲鳴です) また手術するにあたり久しぶりに健康診断を受け、習慣化してしまった病にも気づき自身の体を見直すよいきっかけにもなりました。

日々の痛みにもよく耐えました。掃除機の音で隠してこっそり泣いていた日が懐かしいです。あの痛みは経験した人しかわからないと思います。初診から2度目の術後検診まで7回北海道に行きました。母が言うには、病院に行くのに毎回楽しそうに家を出て行くのが不思議だったそうです。実際本当に全然苦痛ではなく、むしろ行くことが痛みの無くなるカウントダウンだと思い距離を縮めていました。予約から2度目の入院までの2年3ヶ月、長かったけど本当に待った甲斐がありました。幾度となく壁にぶつかりながらも選択した私の答えは何1つ間違っていなかったと確信しています。

一連を終えた今思うのは

◎ まだ筋肉がたくさん温存されているうちに手術を受けることが最適で、またそう出来ない場合は痛くてしづらい術前の筋力UP体操を頑張り、出来るだけ筋力をつけておく事が術後の回復速度を変え、いかに早く日常に復帰出来るかを左右するキーという事です。

◎ そして何より1番は、我が身を預けるのですから信頼できるドクターを選び、妥協せず何事も自分が納得する事だと思います。
このHPを開くと最初にある診療理念は、その通りだったと私は思います。

☆ 石部先生へ

先生は股関節の病気で苦しんでいる人を幸せに導く尊いお仕事をされています。
そしてそれは人の人生観をも変えるのです。先天性で生まれて四十数年、外見が普通でない事でこれまで辛い場面にも遭遇してきましたが、今はもうそんなことも一掃できます。
整形外科でもいろんな分野がある中、股関節のMISによる人工関節置換術に尽力没頭してこられた事に敬服し感謝いたします。先生は謙遜なさって神の手ではないとおっしゃるのですが、 長年かけて悪くなってしまった股関節を、私達患者は自身ではどうすることも出来ません。先生の熟練した手技なくしては短期間で負担なくここまで早く回復する事は不可能であり、また心身ともに健康で幸せな未来へと導かれなかったと思います。積年のいろんな想いもあり、やはり私の股関節を普通にしてくださった先生は、2つとない【神の手】を持つスーパーDrだと思います。先までスケジュールの詰まったお忙しい日々、いつもスマイルで患者を一個人として尊重してくださる姿にも頭が下がります。
「これからはいままでの分も幸せになってください」という言葉は、他の誰から言われるより心に沁みました。先生に出会えて本当に良かったです。日々感謝の思いは尽きません。
生まれ変わったこの脚を一生大切にします。そしてこれまで出来なかった事をこれからゆっくり楽しもうと思います。本当にありがとうございました。

またこの度 関わっていただいた全ての方に感謝いたします。ありがとうございました。

= 最後に =

以前私がここで患者の声を読み、辛いのは自分1人ではないのだと手術への第一歩を踏み出す力を貰ったように、後進の方へほんの少しでもお手伝いが出来ればと懐かしい想いも含め記憶の新しいうちに実体験を書き記しました。
皆さんにも明るい未来がきっと待っていますよ。 (*^_^*)

H24年1月

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