患者の声

※患者さまの写真につきましては、ご本人の了承を得て掲載しております。

加藤里美様からの声

「おい、こんなに良い股関節手術する先生が新聞に載ってたぞ」
それはある日、実家の父から手渡された新聞の健康コラムの切り抜きでした。
私が石部先生を知ったきっかけでした。

私の股関節は、産まれた時に両脚先天性股関節脱臼しており、一度は治療したものの、不完全のまま成長しました。やがて中学生の頃か ら痛みだし、臼蓋形成不全という診断結果がつき、今は治療出来ないとの事で激しい運動は不可、重いものを持たないようにと、日常生活で制限されましたが、 なんら変わりなく普通に過ごし、結婚もし、子供も2人授かりました。痛いとは言ってもこの状態で中学の頃から慣れてしまっている私にとっては、不便は感じ なく、手術、入院となると、莫大な費用もかかる、手術なんて遠い世界の事だと思い、切り抜きをただ漠然と読みそのまま鏡台の引き出しにしまってしまいまし た。

何年か経ったある日の朝。テレビの「とくダネ!」で、変形性股関節症の治療が放映された時は不思議なもので、すぐ目がテレビに向き ました、そして自然と食い入るように見たのを覚えています。その夜には特集があると予告があり、手術は希望していなくても、やはり自分自身の病気の事が知 りたいと思い、それも見逃さずに見ました。石部先生のにこやかなお顔が印象的なのと、手術の手際よさが目に焼き付いていました。その後インターネットの ホームページも探し、患者の声など読みました。そこで、100%保険診療という事を知りましたが、手術のリスクもある、ましてや遠い札幌だし・・。まだ まだ手術すると言う気持ちはありませんでした。でも、いつか歩けなくなる・・と、いう不安もありましたが、もし手術するならこの先生にしてもらおう・・ と、いう気持ちは固く持っていました。

2011年が明けた頃、入退院を繰り返していた実家の父の具合が悪くなり入院したと連絡が入りました。主治医からは肺炎になると危ないという事で、その際の延命治療はどうするかとまでの話もしたのですが、状態がなんとか快方に向き退院出来たのです。
そんな父から、「俺はもう何も思い残す事はない、しかしお前の脚だけが心残りだ」
と、言われた事が心に刺さり、以前父から貰った新聞切り抜きの事を思い出しました。こんな事なら父の願いでもあるこの脚を治して父に安心してもらおうと、決心したのです。ちょうどその頃には足腰に痛みがあり、長くは歩けなくなっていました。
でも、手術、入院となると四国からは遠い札幌です、家族の反対に合ったらどうしようと、考えながら思い切って相談しました。快く「行って治してこい。」と、励まされました。
一歩踏み出した・・それが、2011年の4月でした。
そして、早速クリニックへ電話をしましたが、初診は6ヶ月後頃と言う事でした。
しかし、5月下旬にクリニックから初診のご案内の電話を頂き、時期が少し早まった、と言う事で6月に初診となりました。

初めて会う石部先生は、テレビでみたまま大変にこやかで診察室にいらっしゃいました。私は極度に緊張しており、何を話したか覚えて いないのですが、先生が「変形性股関節症の進行期です。手術できますよ、でもそれを決めるのはご自身です。」と、言ってくださったので、私は、「よろしく お願いします。」と言った事くらいしか覚えてないくらい、緊張しきっていました。唯一覚えている質問が「両脚一緒にできませんか?」と、おたずねしました が、「両脚一緒の手術は辛いです。今、悪いほうの右脚から先に手術して半年後に左脚をする方が楽ですよ。」との説明に納得して診察を終えました。今から考 えると、その通りだと思いました。石部先生の診察には、娘も同席したのですが、娘は「石部先生ってものすごいオーラがあるね、母さん大丈夫、あの先生なら 間違いないよ。」と、励ましてもらいました。
そして手術の予約をし、11ヵ月後を待つ間、先生のHPの体験談を読み、患者様のお一人にも相談させて頂き、その日を心待ちにして治ったあかつきには何をしようかと、期待は膨らむばかりです。
そして、予定より早くなった手術日の連絡があり、2012年2月に右脚、8月に左脚を石部先生執刀で人工股関節置換術の手術をして頂きました。

手術に望んでは、以前に婦人科系の病気で2回手術経験があるので何も怖くありませんでした。むしろ、新しい自分になる事の方の喜び が一杯で、遠い札幌で入院する事の不安もありませんでした。入院中は同室の患者さんと話しが弾み、退屈など一切ありませんでした。右脚を手術した時は 2.5cm脚が伸ばされ、少し不自由をしましたが、半年後、左脚を手術した翌日からの歩行訓練で、ぴったり長さが揃っているのを実感しました。開口一番 「おぉ!」言葉になりませんでした。なんの違和感もありませんでした。やはり先生は神の手を持ってらっしゃいます。
歩いてもあの嫌なゴリゴリとした股関節の痛みがありません。それだけでも嬉しいのに、姿勢がよくなって身長がのびたね、と、皆が言ってくれます。手術前は 前屈姿勢で、お尻が出っ張りアヒルのように歩くので、小学生の頃はよく、出っ尻!と、からかわれて辛い思いをしていました。そのお尻も今は引っ込んでいま す。あらためて人間の身体というものは、どこか障害があると不自然な姿勢になるのだ、と実感しました。

術後1ヶ月が経ち、1ヶ月検診の為札幌入りをしました。経過は順調でした。あとは、筋力がどれだけ回復するかによって、生活のレベルも変わってきます。
検診では、同じ時期に手術した2人と一緒になり、その夜はすすきのへお寿司食べに行こうと言う事で3人で出かけ、美味しい握り寿司に舌鼓を打ち、そこで2 人とはまた来年の再会を約束しお別れしました。私は思い切ってホテルまで歩いてみようと思い、すすきのから札幌駅まで約2kmの地下街を歩いたのです。
昔なら、すぐ足腰が痛くなりどこかに座りたくなるのに今回はいつの間にやら札幌駅まで歩いていました。知らない間に着いていたと言ってもいいくらいです。
「痛くない!」
私は、ホテルの部屋で小さい頃からの痛みがあった生活から抜け出せたと言う思い、いろいろ辛かったことなどの思いが溢れて、涙が出て止まりませんでした。 辛かった涙、感謝の涙、両方流しました。石部先生には、私の脚を歩ける脚にして頂いてありがとうございます。と、言う感謝の念が絶えません。家族にも迷惑 をかけました、でも笑顔で見送ってくれた事に感謝しました。

実家に行き、歩ける喜びと少し身長が伸びた事、姿勢がよくなった私を見てもらい、父が涙を流して喜んだのは言うまでもありません。父の胸のつかえを取ってあげた事で、私は少しでも親孝行になったと思っています。
私のこれからの人生が、未来へ向かって道が明るく照らされています。

手術をしようかどうしょうか迷ってらっしゃる方、どうか迷わないで下さい。一歩踏み出す勇気を持って下さい。こんなにも「明るい未来」があるのです。笑顔が絶えない生活を取り戻せるのです。

最後になりましたが、手術にあたって石部先生、狩谷先生、クリニックの皆様、また、小笠原クリニック札幌病院のスタッフ、リハビリテーションの先生方にはお世話になりました。本当にありがとうございました。
新しく頂きました股関節と共に楽しい人生を送りたいと思います。

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