患者の声

※患者さまの写真につきましては、ご本人の了承を得て掲載しております。

一戸武二様からの声

私の人生を変えてくれた第一歩は、石部先生のHPだった。
そこには、私と同じく股関節の痛みで悩んでいた人が手術により痛みがなくなり、人生が変わった体験談が掲載されていた。

その夜、先生にメールを送った。

翌朝返事が来た。

嬉しいことに、私が希望した診察日の予約状況と連絡先まで丁寧に書かれていた。

予約した日、内心どきどきしながら受付した。レントゲン撮影の後、先生の診察を受けた。「左股関節変形性股関節症ですね、身体障害者5級です」と言われ、えっ!と思った。
その後「今の状況では痛みを取る方法は、人工股関節にするのが良い。」と言われた。
少し動くのにも痛みが伴う状態で、この先何年もこの痛みに耐えられないと感じていた私は、人工股関節にすることを決意した。

入院の2週間前に貯血とCTを撮り、入院の説明を受けた。

入院当日:とても緊張した日だった。生まれて初めての入院。看護士さんから、病棟内の説明を聞いてこの日は休んだ。
病室は、とても広くて明るい。テレビ、冷蔵庫、有線放送まで付いており、ホテルにいるような気分。私は、半ズボンにTシャツという入院患者とは思えない格好で過ごした。

入院2日目:手術前日、この日は手術の各担当科の方との面談があり、気になることを確認した。麻酔科では、病室を出て手術が終わり病室に帰るまでを丁寧に教えてくれた。
夕方、石部先生から手術の説明を受けた。その夜はほとんど眠れなかった。

手術当日:起床後すぐ浣腸、その後硬膜外麻酔のためのチューブを背中から入れるためにレントゲン室へ。なんだか、押されるような感じがあって、背中がさっぱりしない。
部屋へ帰り手術を待つ。時間が長いが妙に落ち着いていた。
T字帯になり覚悟を決めたら、手術室への迎えがきた。
肩に注射を打たれノックダウン、手術室でも尿管を入れられた時なぜか痛くて目をあいた記憶があるだけで、手術は知らないうちに終わっていた。
病室へ帰ってからは、足を休めないよう動かしていた。
先生が病室へレントゲンを持ってきて、人工股関節に置換し無事に手術が終わったことを説明してくれた。
寝返りをうてないため、背中から腰がすごく痛くて、なかなか眠れなかった。
手術した関節周辺はそのわり痛くなく、痛め止めの薬はあまり使わなかった。
とにかく、のどが渇き看護士さんに何回も水を入れてきてもらった。
看護士さんには、わがままいっぱいで迷惑をかけた。

術後1日目:朝空腹で目が覚めた。採血をしてから朝食までが、待ち遠しかった。
朝食を食べるために初めて起きた。食べ終わる少し前に、麻酔科の先生がきて痛め止めのチューブを抜いた。
その後、ドレン、尿管を抜き、脱T字帯。そして、手術後初めて立ち上がる時がきた。
看護士さんが、歩行器を準備して「立って歩いてみてください」と、言った。本当に立つの?足に力が入らない。しかし、歩行器につかまり立ってみると、痛くない。
一歩、二歩歩いてみる、今までの痛みはどこへ?土曜、日曜は、歩行器でトイレに行くのがリハビリ。

術後2日目:朝食後、術後初めてのイベント大○。看護士さんに便器への座り方を教えてもらい、いざチャレンジ。便座へ座ると、手術した足に力が入らず内側へ入ろうとするので焦った。

術後3日目:この日からリハビリ開始。リハビリテーションまでは、歩行器を使った。
まずは、手術した足を少しずつ動かしていく。
痛い!特に手術した近辺がブチッ!ブチッ!といってる。
涙が出た。でも、これに負けてはいられない。歩くんだ!杖をついて歩く練習もした。

術後4日目~6日目:リハビリを進めるうちに段々歩けるようになるのが楽しい。
私は、術後足が上がらなくて泣いた。おまけに、横上げは全くできなかった。
手術前までの数ヶ月間のトレーニングが甘かった。
悔しいので、リハビリの後横の力をつけるためにマシーンを借りた。部屋でも、ベットの上でトレーニングした。しかし、横には上がらなかった。

術後7日目:初めての外出。散歩カードをもらい、大通公園まで歩いた。手術前だと歩くと痛くなる距離を過ぎても痛くない。痛くはないが、道路の凸凹が筋力のない足にはきつかった。
大通公園のベンチに座り、友人にメールをした。もう一人で外を歩いても大丈夫なのかとびっくりされた。
部屋へ帰ると、先生が傷口のチェックをし、お風呂OKのサインが出た。術後初めての風呂。さっぱりした。

術後8日目:三連休のため、リハビリは無し。外出しようと思ったが天候不順のため中止。前日から、一人部屋になり寂しかった。

術後9日目:路面電車でラーメンを食べに出た。路面電車の階段がちょっときつい。
足が上がらないかと思ったが、なんとか乗れた。
すすきの方面へ行ってきたが、思ったより乗車時間が長く、関節周辺が心配になった。
入院後初めてのラーメン、美味しかった。思い出の一杯だ。

術後10日目:明日退院だ、と思うと嬉しさと不安が入り交じって、何とも言いがたい気持ちでいっぱいになった。

術後11日目:とうとう退院の日、レントゲン撮影とリハビリをして部屋へ帰って、荷物を発送。
そして、午後病院を後にした。
歩きながら、私の人生を変えてくれた病院を何度も振り返り目に焼き付けた。
また、一ヶ月後には来るのだが。

手術を受け思ったことは、この痛みを知っているのは自分であり、手術を決めるのも自分である。
いくら痛いと言っても他人には分からないし、痛みから解放された感動も自分が一番感じることなのだ。
40歳という年齢で人工股関節にしたが、後悔はない。

石部先生が私の左足に第二の使命を与えてくれた。私の人生のために。

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