患者の声

※患者さまの写真につきましては、ご本人の了承を得て掲載しております。

黒坂 陽子様からの声

私は神戸在住の43歳です。
平成19年5月18日、表面置換型人工股関節手術を受けました。

【手術を決めるまで】

1歳の時、左足股関節脱臼と診断され3歳までに3度手術を受けましたが、その後何事もなく、スポーツなども普通に楽しんできました。仕事も主人と小さなカフェを営んでおり、いわゆる立ち仕事ですが、何ら問題はありませんでした。
ところが平成18年の春頃から股関節に痛みを感じ、周りから「足をひきずっている」と言われ、おかしいなと思いながらも我慢していましたが、その年の秋頃かなりの痛みを感じるようになったので近くの市民病院で診察をうけました。
「股関節変形症の末期で、治すには人工股関節に置き換えるしかありません。しかし年齢を考えると少しでも遅い方がいいでしょう。」

想像もしなかった結果にショックを受け、家に帰ってインターネットでその病気の事を調べました。そこで初めて石部先生のホームページと出会いました。
すみずみまで読んでみて、とてもわかりやすいこと、石部先生に直接メールでご相談できること、股関節の専門医で経験が豊富でいらっしゃること、充実した設備が完備されていることがわかり、石部先生なら私を治してくださると思いました。また、自営業なので長く休めないという悩みがありましたが、2週間程度の入院でいいというのも嬉しい情報でした。
早速初診の予約をとりました。しかし足の痛みが日に日にひどくなっていき、石部先生に2回メールでご相談をしましたところ、毎回すぐにお返事をいただき、さらに心強く思いました。

平成18年12月7日、初診の日。
手術をするなら石部先生にと決めていましたが、時期は自分でも決めかねていました。でもいろいろお話をしているうちに痛みのない生活に戻りたい、早く石部先生の手術を受けたいと思い、その場で手術の予約をとりました。

平成19年5月10日 入院前の処置。
CT、レントゲン、その他の検査、自己血の採血などを受け、石部先生とゆっくりお話をすることができました。
私は表面置換型の手術を希望していましたが、股関節の変形が激しいため表面置換型ができる確率は60%と言われました。手術時は表面置換型をためして、ダメだったら標準型に切り替えるということに決定。ただしいずれにしても傷口はMISの7センチではなく14センチになるというお話でした。しかし、表面置換型だと、再置換手術がしやすいこと、術後の脱臼のリスクが低いこと、大腿骨が多く残ることなどからその方法に賭けてみることにしました。

【入院生活とその後】

5月16日 入院。

5月18日 手術当日。
私は一番目の手術。9時前に手術室に移動し、意識が戻ったのはちょうど11時頃でした。
石部先生が術後のレントゲン写真を見せてくださり、表面置換型でできた事を知りました。
下半身の麻酔が解けるまでは3時間くらいでしょうか。その後ベッドで軽い夕食をとり、歯磨きもできました。
夜は痛み止めと睡眠薬をいただきましたが、傷口よりも腰が痛くて寝苦しい夜を過ごしました。

5月19日 術後1日目。
午前中、初めて歩行器を使って立ってみました。股関節の痛みはほとんどなく、わりとスイスイ歩けました。以前は左足と右足の差が骨盤のゆがみも併せて4センチありましたがほぼ揃った感じで、主人と喫茶室にアイスクリームを食べに行った時うれしくて涙がでました。

5月20日 術後2日目。
歩行器ではなく杖で歩いても良くなり、シャワーの許可が出ました。

5月21日 術後3日目。
術後が土日だったため今日からリハビリが始まり、痛いけれど気持ちよく感じました。担当の理学療法士さんは、病室でもできるパーソナルプログラムを指導してくださったり、ある方法でできなければ別の方法を考えてくださったり、その引き出しの多さにとても信頼がおけました。この日から筋肉痛との闘いです。

5月24日 術後6日目。
お友達になった方と3人で始めて外出をし、お茶や買い物を楽しみました。

5月29日 退院。

病院と家の環境の違い(手すりや階段の高さなど)に戸惑いましたが徐々に慣れてきました。ちょっと辛いリハビリも日に日に楽になっていきました。

6月26日 職場復帰
立ち仕事なので不安がありましたが、杖をついて、重いものを持たないように心がけました。

7月6日 1ヶ月検診
すいすい歩けるので楽しい旅行気分の検診。
筋力はまだ半分くらいしか回復していませんが、経過は良好とのことでほっとしました。トレーニングの錘を2キロに増やすように言われました。

現在術後2ヶ月。表面置換型は通常のMISに比べて切開部分が大きいことから筋力回復に時間がかかるようですが、杖をつく以外はほとんど不自由のない生活が送れています。痛みのない生活は本当に幸せだと改めて感じます。

【振り返って思うこと】

私が患者としてとても安心できたことがあります。私のように遠方からの患者に対して細部まで配慮されている点、また石部先生を中心に看護師さん、理学療法士さんの連携がすばらしい点です。常に私の状態を皆さんがご存知で、的確なケアをしてくださいました。

またすごく力になったのが、同じ入院患者さんとのコミュニケーションです。不安だった私にいろいろ経験談をお話してくださり、相談にものっていただきました。だから私も退院間際はこれから手術の患者さんにできるだけのお話をしましたし、こうやって受け継がれていく習慣は何よりの励ましになると思います。

想像以上に大変なのは筋肉の強化です。長く使っていなかった筋肉をもとにもどすのはやはり努力がいります。術後はいかにリハビリするかで回復が変わってくると思います。とにかくやれば力がつくので、さっそうと歩く自分の姿をイメージしてコツコツ続けるのが一番だと思います。

最後に、いつも笑顔の石部先生をはじめ看護師さん、理学療法士さん、一緒に過ごした患者さん、それから家族や友達、かかわってくださった皆様に感謝します。

そして、私はこの新しい足とともにこれからの人生を楽しむつもりです。

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