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 〜 蜂窩織炎(ほうかしきえん)〜

本日は皆様に、知識のひとつとして、覚えていていただきたく、私の経験のみをお知らせ致します。

※あくまでも、数少ないパターンですので、くれぐれも今後の『石部先生の手術の妨げ』にならぬよう、ご理解下さい。
そして、第一に『医療ミス』等という事は一切考えておらず、ただ『タイミングの悪さ』があったのです。
(読んでいただければ、その理由はお解りになると思いますが・・・)

そしてまた、遠く離れた場所で発病した私に、石部先生と地元医師は、メールや電話で密に連絡を取り合い、今後の最良の診療方針を決めて下さっていた事を、皆様にお伝えしておきます。

まずは、『蜂窩織炎(ほうかしきえん)とは、どんな病気か?』からです。

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一旦、こちらのページへ移動してご覧下さい。とても判りやすく書かれています。
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10OC1000.html


どうですか?

お判りになりましたか?

【石部先生から頂いたコメント】
人工股関節置換術後の感染(蜂窩織炎などの表在感染、およびインプラント感染などの深部感染を合わせて)は1%以下にみられる。
(再置換の場合は、この数字より多い)


また受診の際、私の地元の整形外科医がおっしゃるには人工関節置換術を受けている方は、イザという時の為に、皮膚科で受診されるより、整形外科での受診の方が、迅速な対応が可能との事です。(実際私もそうでした)

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とても怖い病気なのです。
しかし、早期発見・早期治療さえすれば恐れる事はありません。
ただ、本人が知識として『病名をも知らずに放置』すればとても怖いのです。


【2008年(今年)1月末】
小笠原クリニックにて、石部先生による『左 人工股関節置換術』を終了。
(順調に回復)

5〜6月にかけて・・・ 寝室内に、『蜂』の侵入が、度々確認される。(この原因は、関係ありませんので、あえて省略します。)
その総数、10匹以上。
(ただしこれが、のちのち診察の妨げになってしまうとは、思いも寄らなかったのですが)


【6月18日(水)】
右股関節の手術を前に貯血。道内入り。

夕方より、突然の大発熱!(おそらく38度以上)。
※この発熱こそが、今になって考えれば、第1回目の『蜂窩織炎』発症の始まりと思われる。
腰痛用に、持参していたボルタレンを服用。
真夜中、驚くほどの大量の発汗。(シーツ・枕がビショビショになる程)


【6月19日(木)】
朝には、何とか熱も下がり、予定通り石部基実クリニックにて、診察。
血液検査、検尿を行う。

昨晩、原因不明の発熱があった事を石部先生に伝える。
結果:血液の炎症反応(以下CRP値とする)が高く、貯血は見送り。

石部先生からは、「地元での(CRP値を下げる為の)早急な治療が必要なレベルです」と言われ、地元内科医(かかりつけ医)へ向け、石部先生からお手紙を書いていただいた。


【6月21日(土)】
1月の左術部位(傷跡周辺)が、赤く腫れ、強い痛みが出る。周辺の『ほてり感』はあるものの、発熱なし。
原因は、寝室で度々確認されていた蜂に『夜中に刺された』と勘違い(素人判断)し、そのまま放置。
《朝、布団を開けたら、蜂の死骸が見つかったのです。疑いの余地無しでした》
仕事の都合で、地元内科医への受診は、週明けに回す。


【6月23日(月)〜】
地元内科医を受診するもの、毎回血液検査のみ。
抗生物質の投薬などの処置は、全くナシ!
(石部先生のおっしゃった『早急な治療』がされておらず、私には内科医の怠慢さだけが感じられる)

その後も何度か受診するも、相変わらず血液検査を続けるばかりでした。

その時の会話です。
 医「CRP値が下がらないネ。」
 私「どうすればいいんですか?」
 医「どうもしようないです。下がるのを待つだけです。」
 私「・・・・」  「治療的なものは、ないのですか?」
 医「ありません。」
 私「それでは、私が自分で出来る事は、何かないのですか?」
 医「ありません!」
の、一点張りです。

そこで、左術部位の腫れ・痛みがあるのに気づいた私は、初めて医師にその事を伝えました。
 私「先日、蜂に刺された様なのですが、それが、(CRP値が下がらない)原因のひとつなのですか?」
 医「関係ありません。」

( ・・・と、ここで赤く腫れた患部を診るものの、『蜂刺され』と判断した医師は、
『蜂窩織炎』とは診なかった)


【7月3日(木)】
翌日の『再度の貯血・北海道行き』>の私に向かって、 内科医は、
 医「CRP値が、0.59(≧0.30が正常値)もあるのに、貯血出来るの?」と幾分『横柄』にも取れる口調で、言い放った。

はっきり言って私は、ここで完全にマヂ切れしました!

「それなら治療らしきものを、今まで何故やらなかったのだ!?」 と・・・
「しかも、前日になって!!」と・・・


【7月4日(金)】
仕事の都合により、日帰り北海道。午後受診。

それでも石部クリニックでの血液検査結果では、何とかCRP値もクリアし、貯血は無事に終わる。
その後、蜂刺されと思っていた痛みは引き、腫れも完全になくなった。
(自己免疫による自然治癒と考えられる)


【7月15日(火)】−−予定通り、入院。

【7月16日(水)】−−右・人工股関節置換術、終了。 翌日よりリハビリ開始。

【7月28日(月)】−−無事退院。8月いっぱいの自宅療養を予定。

そして(9月1日(月)−−仕事復帰。・・・となるはずだった・・・何もなければ・・・)

しかし・・・


【8月2日(土)】−−術後17日目
回復は、順調。と思ったその日の夕食後、右内ももが、急に大人の手のひら大に赤く腫れ、強い痛みが出る。
原因不明の為、とりあえず湿布薬を貼り、就寝。
夜中、シーツに擦れても痛い。


【8月3日(日)】−−術後18日目
早朝、38度4分の発熱・悪寒にて目を覚ます。
午前中には、解熱剤により熱は下がるが、ただ事ではないと心配になり、休日だった事もあり、救急病院に駆け込む。

診察時に『人工股関節』の事を告げると、たまたまいらした整形外科医の診察により、緊急入院。
 CRP値=1.0以上。
 抗生剤の点滴開始。
(私は気付かなかったが、傷跡周辺にも熱感があり、腫れている事を医師に告げられる)
入院と同時に、右足を付く事禁止!!
ましてや歩行は絶対禁止。車イス使用のみ。
しかも、看護師さんの補助なしでは、トイレも禁止。
右足を、専用の医療器により、患部の24時間冷却開始。(4〜5日間使用)


【8月4日(月)】−−術後19日目
担当医が石部先生に直接連絡を取って、今後の治療方針を話し合う。
(以降、体温は平熱に戻る)

当日夜9時、石部先生と地元医師の相談により、私に告げられた事。

@全ての症状は、手術部位の炎症によるものと考えられ、再切開・洗浄等の、
 緊急手術を行う必要がある事。
Aおそらく、何層にも縫合された上層部(皮下・脂肪部分など)の炎症と思わ
 れる事。
B同様の症状が上記の処置により、劇的に好転する確率が高い事。
C何より、石部先生がその処置を希望している事。
D万が一、深い部位(関節を包む膜内・人工関節部など)までの感染の可能性
 が認められる場合は、処置を見送り再縫合して、緊急に『北海道行き』の可能
 性もあり得る事。
Eまたそうなった場合は、人工関節の抜去(取り出し)となり、再度の置換術まで
 は、数ヶ月の期間を要する事。

 (あくまでも医師は、最悪を想定して語っただけですが、正直ビビリました)


【8月5日(火)】−−術後20日目
緊急手術
病名:右人工股関節置換後の右大腿周囲 蜂窩織炎
          (←ここで初めて出ました)
手術方法・内容:腰椎麻酔による再切開での創部の感染状態、
           及び進達度の確認。

※切開したところ、上面にわずかながら、血液の固まり状のものが見つかり、細菌検査へまわす。
(普通は、そう言った物は自然に体内に吸収され、残らない物なのです)
周囲を確認しながら洗浄。
深部への感染の可能性は少ない事を、目視にて確認。
大事を取って、体液・血液が再度溜まらないよう、それを吸い取る細いチューブ(ドレン)を体内に挿入し、無事に手術は終了。


【8月6日(水)〜】
翌日より腫れが引き、赤み・痛みも減ってくる。
創部の血液の固まり状の物を細菌検査に回す。結果、菌は見つからず。
次第に、抗生剤(朝・晩2回)の点滴も無くなり、CRP値を確認後、抗生剤の飲み薬に変更。
ドレンの先に装着された透明の袋に血液・体液が殆どなくなるのを確認し抜去。
ドレン先端(体内に、入った)部も細菌検査したが、異常なし。


【8月12日(火)】−−術後27日目
退院

【9月1日(月)】
仕事復帰
やれやれ、と安心していたのもつかの間。


【9月12日(金)】
日中、右大腿部外側に、『3〜4日前の、机の角にぶつけたような軽い痛み』を
覚える。
しかし、気にする事なく仕事を続ける。(ただし、ぶつけた記憶は全くない)

夕方確認すると、ゴルフボール大の赤い腫れ。


【9月13日(土)】
赤い腫れは、7×8cm大に拡張。痛みも増す。
再度の『蜂窩織炎』を疑い、市立病院へ再直行。
案の定、病名は大当たり。
ただし、今回は発熱もない為、当日点滴静注1回のみ。

自宅での、抗生剤の服用で様子をみる。


【9月18日(木)】
腫れ、痛みもかなり軽減されてきたが、抗生剤の服用は続く。


【9月22日(月)】
腫れ、痛みは全く消滅したが、CRP値は相変わらず0.3オーバーの為、抗生剤の服用は1週間延び、再診察予定。


【9月29日(月)】
CRP値も正常値、抗生剤の服用も終わる。
全快です。


いかがでしたか?

こんな経験した方、他にもいらっしゃるでしょうか?

恐るべし『蜂窩織炎』。あなどれません。

下肢に、身に覚えのない痛み(ぶつけてもいない・虫にも刺されていない等)が出たら、放っておかず、最寄りの整形外科や皮膚科、または総合病院に駆け込みましょう。(人工股関節であるという告知だけは忘れずに!)

放置してはいけません。
私のようになっては困ります。

素人判断もいけません。
最悪の結果を招くだけです。

しかし、あまり神経質になる事もよくありません。

私は、皆様の不安をあおろうとか、『石部先生の医療ミス』等とは全く考えていません。
あえて言わせて貰えば、『地元内科医の怠慢な診察』そして、『私の医師選択の誤り』とだけ、申し上げておきます。

ただ、金属(異物)を体内に挿入する訳ですから、ただの風邪や、虫歯・水虫だって、私達には怖いものなのです。
それだけのリスクを背負っているという事実は、切っても切り離せないという事を肝に銘じながらも、皆様には毎日を笑顔で過ごしていただきたいのです。

もちろん、石部先生に手術していただいた事も、本当に感謝しています。

痛くて、杖を付きながらの仕事。
休日なのに、買い物に出掛ける事さえ億劫になり、行動範囲は狭まる事ばかりでした。

しかし今では、どこへ行くのもドンドン歩く事が出来ます。

自転車だって、ここ数年漕げませんでした(股関節可動角度の狭小による)が、
ここに来て漕げるようになりました。(室内ですが・・・)
そのうち、サイクリング(近所)にでも出掛けてみようと思います。

開脚角度も、術前から比べると見違えるようです。
(勿論、健常者と同等とまでは行きませんよ・・・あくまでも、『自分的に』です)


石部先生のおっしゃる『生活の質の向上』と言う点では、遙かに向上しました。
皆様が、もっともっとお元気になります事を、切に願いましてここで終了します。
ありがとうございました。
                                              Kazu





次は ”のんびぃさんの体験記”
〜その1:手術を決心するまで から 初診まで〜