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その5.術後2日目〜退院まで
1.リハビリ
<術後2日目>
出血はまだ続いていましたが、吐き気もおさまり、気分は上々。
午後には、理学療法士の先生がお部屋にいらっしゃって、初めてのリハビリ
開始しました。

病棟内を歩行器で歩くだけのものでしたが、病棟の廊下を端から端まで2往復。
廊下では、昨日リハビリができなかったことを知っている先輩のお仲間さん達が、
周りで励ましてくださいました。
その後、トイレに行き、便座に腰掛けるシミュレーションを済ませ、本日のリハビリ終了。

両足の裏がしっかりと床につき、まっすぐ立てていることや、股関節の痛みが全くないことに感動!

尿のカテーテルを抜いていただいてからは、行きたくもないのにトイレに行ったりして、何度も歩行器で歩いていました。

お食事も、食堂で皆さんと一緒にいただきました。


<術後3日目>
両松葉杖での歩行開始

エレベーターで1階に降り、リハビリ室へ。
脚は、自力では1mmも上がりませんでした。
リハビリ室の鏡で自分の立った姿を見て、下半身がものすごく腫れているのにビックリ!
術前に聞いてはいたものの、こんなに腫れるとは・・・

その日は、歩行の練習のみでお部屋に帰る・・・と思いきや、

理学療法士の先生の
「では、階段を上がってみましょう!」のお言葉に、
2度ビックリ!

無理!無理!
と悲鳴を上げながらも、時間をかけて、なんとか頂上へ到達すると、

即、先生の「では、降りましょう!」のお言葉。
内心、「鬼!」と思いながらも(ごめんなさい…)、
降り終わったときの達成感はすごいもので、まさに「チョー気持ちいぃ〜」といった感じでした。


<術後4日目>
相変わらず脚は自力では1mmも上がらず、理学療法士の先生の力を借りてわずかに上がるだけでした。
平行棒での横歩き、歩幅が開かず、なかなか上手に歩けませんでした。
その日も階段の昇降、昨日よりはましかな・・・と自己満足。

松葉杖歩行は、随分上手になりましたが、
理学療法士の先生からは「背中が反り過ぎている」と指摘を受けました。
両腕の筋肉痛で、湿布をペタペタ。まだまだ腕に頼って歩いていたようです。


<術後5日目>
いつものメニューに加え、腹這いになる練習をしました。
ベッドに倒れこむ、ある意味ワイルドな方法にはびっくりしましたが、何年ぶりかの気持ちいい腹這い、嬉しかったです。


<術後6日目>
いつものメニューの後、理学療法士の先生とお散歩しました。
病院の前の道路まで歩き、ぐるりと一回りし帰ってくるという30分ほどのお散歩です。
アスファルトを踏む感触は、やはり院内とは随分と違っていて、地を踏みしめているという実感がありました。


<その後>
相変わらず脚は上がらず、他の患者さんに比べたら、決して順調とはいえないリハビリの進み具合だったと思います。
でも、両脚手術が病棟内に私一人ということも幸いし、マイペースでリハビリを進めていくことができました。

いつも、「焦らないで・・・」
と励ましてくださった理学療法士の朝田先生に感謝いたします。




2.術後2日目〜退院まで

出血は4〜5日続き、リハビリだけでなく、入浴もおあずけになりました。

また、血液検査の結果、肝機能が悪く再検査とエコーの検査。
エコーの検査は異常なく、点滴の副作用だろうということで、点滴が中止になり、
次の検査では肝機能のデーターは改善していました。

しかし、出血の影響で、貧血の検査データーが日に日にひどくなり、
血栓予防のお腹の注射も中止になりました。

術後1週間目くらいでしたか・・・

洗濯に行っていて、冷や汗と立ちくらみで、目の前が真っ白になってしまい、
同行したお仲間さんが看護師さんを呼びに行ってくださったりと、ちょっとお騒がせしてしまったりもありました。

下半身の腫れがなかなか引かず、下だけ3Lの病衣を着ていましたが、
途中お見舞いに来て下さった友人のご主人から、「ソフトボールの選手みたいだね!」と言われたのには笑ってしまいました。

大腿部と鼠径部の引っ張るような痛みが続きましたが、

石部先生が
「脚が伸びた分、筋肉がグッと引っ張られて起こる痛みですよ。」
と仰って下さってからは、それも嬉しい痛みとなりました。

実際、その時点で身長が3cm伸びていましたから。

退院が近くなった頃には、松葉杖もまるで体の一部のように、違和感なく歩けるようになっていました。
傷の痛みも、股関節の痛みも全くなく、あるのは筋肉痛だけで、
結局、手術後から退院まで、痛み止めを一度も使わないで済みました。




3.退院

5月26日、12日間の入院生活を終え、待ちに待った退院の日を迎えました。

朝食の後、久しぶりにお化粧をし、
入院時と随分体系が変わったせいで借り物のようになったスカートに着替え、
病院を発ちました。

北海道に住む友人ご夫妻と夫の迎えで、お部屋を出るときには、
同室のTさん、Hさんのお見送りに涙ポロリ・・・

退院の手続きと支払いは、前日に事務の方にお願いしていたおかげで、
スムーズに行きました。

荷物は、宅急便に電話をし、病室まで取りに来てもらうよう手配・・・
と言っても、これは全部同室のTさんにしていただきました。
Tさんには、最後の最後まで、本当にお世話になってしまいました。

あいにくの雨でしたが、洞爺湖あたりを観光のあと、千歳空港に向かいました。

空港の中は、とても混んでいて、人にぶつかるのではないかとドキドキハラハラ…
特に、走っている子供は、恐かったです。
夫に、後ろに立って、カバーしてもらい歩きました。

飛行機の中で、手術のパンフレットを読んでいたら、スチュワーデスさんが
私の横まで来られ、
「北海道で、股関節の手術をされたのですか?」
と尋ねられました。
術後12日目だとお話しすると、びっくりされ、
「もしかして、テレビに出られてたスーパードクターですか?」と・・・

石部先生は、スッチーの間でも有名でした。

宮崎へは羽田で乗り継ぎになります。
羽田では、宮崎便の搭乗口が随分と遠いので、事前にカートをお願いしておきました。
長い距離、カートに乗せていただいたおかげで、乗り継ぎもスムーズに行き、
難なく無事宮崎に帰り着きました。

久しぶりの家にホッとする反面、
病院と違って不便がいっぱいの自宅に不安も募ります。

さあ! 明日からどんな毎日が待っていることやら・・・






次は  たけちゃんの体験記